フリース選び方あれこれ。種類や特徴を比較してみよう!【元山用品店スタッフの登山うんちくvol.3】

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みなさんこんにちは!

今日は登山に欠かせないアイテム、フリースについてのお話です\(^o^)/

フリースと一言で言えど、その種類は様々。

山用品店に行くと予想以上に種類があり、どう選んでいいのか戸惑ってしまったという人も多いのではないでしょうか。

この記事ではそんな悩みを少しでも減らせるよう、それぞれの特徴をまとめてみました。

是非今後のフリース選びの参考になさってください^ ^

それではスタート!

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そもそもフリースとは

そもそもフリースとはなんなのか。

一昔前にユ◯クロのおかげで爆発的に流行り、今や冬の防寒着として当たり前のような存在になってますが、その言葉の意味やルーツはあまり知られていません。

フリース素材は1979年にアメリカ創業のモールデンミルズ社によって開発されました。

社名を聞くだけではいまいちピンと来ませんが、このモールデンミルズ社のフリースの商標「ポーラテック」と聞くと、なんとなく聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか。

その素材にいち早く注目したのがパタゴニア「シンチラフリース」をモールデンミルズ社と共同開発し、大成功を収めます。パタゴニアにフリースのイメージが強いのはこういった経緯あってなんですね。

ちなみにフリース(Fleece)本来の意味は「羊一頭から刈り取ったひとつながりの羊毛」を指す言葉でした。

それが次第に、羊から刈り取ったようなモコモコモフモフした生地のことを指す言葉へと変化し、今のポリエチレンテレフタラートを使った、あのふわっと起毛した化繊生地のことを指すようになったのです。

登山用とタウン用のフリースの違い

ユニ◯ロと何が違うねん。

どれだけ尋ねられたセリフかわかりません(笑)

確かにぱっと見はそんなに違いを感じないし、山用で出てるものと何が違うねんって感じですよね。

登山用品として出ているフリースは、一般的なものと比べて

  • 耐久性(過酷な環境下でも耐えられる堅牢な作り)
  • 透湿性(汗を吸って放出する)
  • フィット性(立体裁断やストレッチ素材で動きやすい)
  • 耐スナッグ性(滑りが良く摩擦に強い)

などが優れています。

特に透湿性が良いことは登山にとても重要で、汗によって起こる体温の低下を防ぎ、ベタつきによる不快感も軽減してくれます。

山用のフリース選びで注目すべき部分

登山用として使うフリースの選び方は、もちろんタウン用とは異なります。

街で着るにはオシャレさを優先してなんら問題ありませんが、山は何より機能や適性を重視しなければなりません。

登山用フリースで特に注目すべき部分は「起毛の形状」です。

これによって保温性や汗抜け、コンパクト性が大きく変わります。

では順番に写真付きでメリットデメリットを説明します。

※自分のフリースなのでちょっと使用感ありますがお許しください^^;

クラッシックタイプ

一般的なフリースのことを、ここではクラッシックタイプと呼ばせてもらいますm(_ _)m

「フリース」と言われて最初にイメージする、両面起毛で毛足はそこまで長くない、トレーナーくらいの厚みの誰しも一度は着たことがある?あれです(笑)

最近はマイクロフリースと呼ばれる、さらに細かくなめらかに起毛したものがよく使われています。

メリットは、オールマイティ性、耐久性

クラッシックフリースは、保温性でいうとちょうど中間にあたるくらいで、暑過ぎず寒過ぎず、幅広い場面で活躍してくれるので、山を始める際初めに買う一枚にはもってこいです。

また耐久性に優れたものが多く、長く愛用できます。

デメリットは特にこれといってないのですが、オールマイティーなタイプので特徴が少ないことがデメリットかもしれません。

片面起毛タイプ

片面起毛タイプは、その名の通り片面にしか起毛がないタイプのフリースのことです。

メリットは、コンパクト性、耐スナッグ性、耐風性

起毛が少ないので単純にカサは小さくなり、バックパックの中でも場所を取りにくいものが多いです(毛の長さにもよりますが…^^;)

また外側が起毛していないフリースはとてもなめらかで、ジャケットの着脱が容易です。

ネックであるバックパックの肩ハーネスによる毛玉もできにくく、表面が密に編まれているものが多いのでちょっぴり他のフリースよりも耐風性に優れます。

デメリット保温性

毛足の長さによって大きく異なってはきますが、片側起毛なので両面起毛のフリースよりは保温性が低いものが多いです。

夏山や、ハイキング、クライミング向けのものも少なくないので注意して選びましょう。

ハイロフト (ボア) タイプ

毛足が長いタイプのフリースです。

毛足はパイル状になったものや、毛布のようになめらかなもの、ボアタイプのものなど様々ですが、メリットデメリットは共通しています。

メリットは、保温性、デザイン性

毛足が長いということは、それだけ貯め込める空気の量も多いということです。

長い毛足にたっぷりと温めた空気を閉じ込めてくれるハイロフトタイプは、フリースの中でもダントツで保温性が高いので、冷えやすい女性にも人気です。

冬向きのフリースですね。

見た目にもデザイン性の高いものが多く、山用だけではなく街用にされている方もよく見かけます。

デメリットは、コンパクト性、透湿性、耐スナッグ性

ハイロフトタイプはかさばります。ものによってはそれプラス、重いです^^;

また、厚みがあるので透湿性が他と比べて劣るものが多く、冬でも汗をよくかくなんて人にはあまりお勧めできません。

ハイブリッドタイプ

ハイブリッドタイプは、場所によって使う生地を切り替えて快適性を高めているフリースです。

例えば保温性を高く保ちたい、身ごろの部分はハイロフトタイプを使用し、汗をかきやすい脇下の部分には透湿性の高い薄手の片面起毛のフリースを使用するといった具合です。

運動量の多い人や汗かきな方向きのフリースですね。

メリットは、コンパクト性、透湿性、フィット性

場所によって生地を切り替えることで、少しでも軽くてコンパクトになるように仕上げられているので、かさばりやすいフリースの中では比較的コンパクトです。

部分的に伸縮性の高い生地に切り替えることで、フィット感が高く、暖かい空気を逃さず動きやすく仕上げられたモデルが多いです。

デメリットは、保温性

単純に、部分的に生地を切り替えて薄くするのでその分の保温性は低くなります。

ベストタイプ

フリースのベストって、山ガールがよく着ているイメージがありますよね。

起毛の形状は様々で、ハイロフトタイプから片面起毛まで様々です。

メリットは、デザイン性、快適性、コンパクト性

フリースのベストはデザイン性の高いものが多く、山でもオシャレが楽しみたいという方にはもってこいのアイテムです。

また、ベストは重ね着した時に腕回りが窮屈にならないので動きの制限が少なく、アクティブに動く人には人気があります。

袖がないのでバックパック内でもかさばらないのも良いところですね。

デメリットは、保温性、選択肢の少なさ

やっぱり袖付きと比べると圧倒的に保温性は低いので、春終わり〜秋始めの里山や、ハイキング、キャンプで使うことがメインになるのではないでしょうか。

各メーカーもそこまで種類を作っていないので、あまり選択肢がないのは残念です。

その他注目すべき部分

一番注目すべき毛足の長さに関してのメリットデメリットは先述の通りですが、その他注目すべき部分がないわけではありません。

いくつかご紹介します^^

裏地の形状

山用フリースの内側の形状は一種類ではありません

表面と同じように作られている場合もあれば、裏が起毛していないタイプのものもあります。

そんな中でおすすめなのが、裏起毛がグリッド状になったタイプ。

写真のように裏地に切り込みが入ったもので、これによって透湿性がかなり向上します。

汗で冷えやすい方は是非試してみてください。

ストレッチ性

フリースはそんなにストレッチ性が高くないものが多いですよね。

特に分厚く高密度で作られたものは、耐風性や断熱性が高い代わりに突っ張ったような動きづらさがおまけとしてついてきます。

普段着なら問題ないですが、とっさの動きにも対応しなければならない登山用のフリースはやはり動きやすさが大事

例えばポーラテックのパワーストレッチシリーズは縦にも横にも斜めにも伸びまくる素材でできているので動きに対してのストレスが非常に少ないです。

クライミング要素のある登山にとてもおすすめです。

メンブレン

メンブレンとはのことです。

ジャケットやパンツなどの表地と裏地の間にメンブレンと呼ばれる薄い膜をラミネートすることで、防水性をもたせたり、防風性をもたせたりすることができるのですが(代表例:ゴアテックス)

フリースにもそのメンブレンがラミネートされているものがあります。

メリットは耐風性が向上し、暖かい空気を逃さないようにできるということ。

デメリットは透湿性が悪くなるということ。

山用のフリースにはほとんどメンブレンは入っていませんが(アウターに防風性のあるものを重ねるし、汗が抜けにくくなるので)もしフリースをアウターとして使うことを考えているのであればメンブレン入りは非常に有効です。

フードの有無

よくフードのついているフリースとそうでないフリースがありますよね。

デザイン的にはフード付きの方がいいけど、邪魔になりそうな気も…。と悩む人も少なくないと思います。

好みもありますが、やっぱり登山用のフリースはフードがついていない方が快適です。

レイヤリング次第ではフードオンフードオンフードなんて事態になっちゃいます(笑)

しかも雨が降った時にはそのフードたちを全てかぶることになってしまうΣ(・□・;)

アウターにフードのついたものを着るのであれば、中間着にフードはなくて大丈夫です。

とはいえデザインが気に入ったりした場合は、2枚目にどうでしょう?(笑)

プルオーバーとフルジップ

フリースってプルオーバータイプのもの結構ありますよね。

個人的にプルオーバーのデザインは好きなのですが、登山用は理由がない限りフルジップがおすすめです。

なぜなら一度着てしまうと、もう一度脱ぐのが面倒になるからです^^;

山用品は汗冷えを防ぐため、暑くなってきた時に脱ぐのが億劫じゃないものを選んで下さい(笑)

その他Q&A

その他フリースに関してよく聞いた質問をまとめてみました。

洗濯方法は?

ほとんどのフリースは洗濯機で丸洗いでオッケーです。

ただフリースは摩擦に強いわけではないので、ジッパーはポケットも含め全て閉めて、他のものに絡まないようネットに入れて洗って下さい。

あとはいつも通りで大丈夫。

もうちょっとシビアに言うなら、フリースやソフトシェルなど伸縮性のある素材用の洗剤が山用品店に売ってるのでそれを使うとさらに◎です。

※中には特殊なものもあるので、製品タグは必ずチェックして、細かい指示があればその通りにして下さい。

買い替えどきは?

フリースの買い替えどきは、薄くなったらです(笑)

洗濯を繰り返すうちに初めの頃のふわっとさが少しずつ減り、保温性は低くなっていきます。

しかしだからと言って汚れたまま置いておくのも良くないので、こればっかりはどうしようもありません。

山用品って、消耗品なんです^^;

なんとなく「前はもうちょっと暖かかったのに」と感じはじめたら黄色信号。

家や街で使うにはそれでも十分ですが、山では保温性が足りず寒い思いをしてしまう可能性もあるので買い替えを検討して下さい。

ダウン持っていくからフリースいらないよね?

ダウンとフリースは役割が異なります

ダウンは静的な時の防寒着、フリースは動的な時の防寒着として使うことが多く(もちろん絶対ではないです)

その違いは汗ぬけの性能と保温性にあります。

ダウンは保温性がとても高いので、休憩中や山小屋などあまり自分自身が活動的でない時に体温が下がり過ぎるのを防いでくれる防寒着として重宝しますが、行動中は保温性が良すぎて暑くなりすぎ汗をかいてしまう可能性があります。

逆にフリースはダウンほどの保温性がないかわり、透湿性能に優れているので行動中に使用しても暑くなりすぎず適度に保温してくれます。また動きやすいという良さがもあります。

得意な場面が違うので、どちらか片方だけがあれば良いというわけではないのです。

Thank you フリース!

フリースの登場によって、登山家を始め様々なアウトドアを楽しむ人たちが暖かさ、快適さを手に入れました。

これまでの山の常識を打ち破るこの開発は、登山業界にかなりの衝撃をもたらしたのではないでしょうか。

今も化学繊維は日々進化していて、山用品も毎年のように新しい商品が登場しています。

この先どんなものが開発されるのかと想像するだけでワクワクしますね\(^o^)/

それではまた次回まで!

無国籍チャンネルでした。

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