こんにちは、ヤムです。
第4回漫画レビューの時間がやってまいりました。
今日取り上げるのは僕だけがいない街です!!
この漫画がどんな気持ちにさせてくれるかという言葉はなかなか見つからなかったんですが^^;(途中ハラハラした気持ちにはなるけど、読み終えた時はそんな気分じゃないし…。)
ふと思いついた、ショーシャンクの空見た後のような気持ちだなと言うのがしっくりきたのでそれでいきます(笑)
それではスタート!
Contents
僕だけがいない街
作:三部けい ヤングエース連載 全9巻
こんな時読もう | サクッと読めるいい作品を読みたい時 |
ストーリー | ☆☆☆☆☆ |
キャラクター | ☆☆☆ |
じんわりくる度 | ☆☆☆☆ |
ミステリー度 | ☆☆☆☆ |
おふざけ度 | ☆☆☆ |
ざっくりあらすじ
うだつがあがらない漫画家・藤沼 悟(29)は、 「事件や事故をきっかけに、時間が巻き戻る」という不思議な現象をたびたび経験していた。
そんな彼は、母親が殺された事件が引き金となり、自らが小学5年生だった18年前の世界へとタイムリープしてしまう。
過去の世界で、連続誘拐殺人事件に巻き込まれた同級生・雛月加代を救うため、奔走する藤沼だったが・・・。
といったミステリー色の強いストーリーです。
作中ではタイムリープ=リバイバル(再上映)と呼ばれていて、時をかける少女のタイムリープのように自分で自由に引き起こしたりできるものではありません。
またこのリバイバルは、何か自分の身近で悪いことが起こる時に発生し、それを解決しないうちは、何度も何度も自分の意思とは関係なく繰り返し続けるなかなか大変な能力です。
この漫画の存在自体は映画やアニメ化もされたので、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。
冬にはドラマ化もされるそうです。めっちゃ人気ありますね。
漫画は全9巻と書いてはいますが、実質全8巻で、9巻目は外伝的な内容になっています。
作者の三部先生は1990年から漫画家活動をされていて、他にもいろいろ作品を出されていますす。
また、ジョジョの奇妙な冒険の荒木先生の元でアシスタントされていた経験があるそうで、巻末にあるおまけ漫画にその頃の話が登場しています。
おすすめポイント
短いからこそ良い作品
8冊という少ない巻数ではありますが、全巻読みきった時に、これは8巻以上でも以下でもなかったからこそ完成した作品なんだと感じました。
2時間ぶんの映画のシナリオがはじめからあるように、僕だけのいない街のシナリオは初めから8巻構成で仕上がっていた、そんな感じです。
だからこそストーリー展開のリズムもよく、全体にバランス良く物語を読み解くキーワードがちりばめられているので、読者としてはそのキーワードを一つづつ回収しながら、主人公と同じテンポで物語の確信に迫っていける感覚が気持ちよかったです。
またミステリー漫画だからといって謎解きにばかり力が注がれているわけではなく、人間模様や、たまに笑いを交えたりと、メリハリもうまく描かれています。
映画にするのにとてもいい作品だと思うので、まだ見てないんですがひそかに期待してます(笑)主演は藤原竜也さんでしたね。もし見たら追記で感想書きますね^^
全てのピースが外せない
よくある残念なミステリーものの特徴で、伏線張るだけ張って全然回収しないパターンがありますよね。
また、過去に戻る系の話って、ややこしくなりがちでつじつまの合わないものが多かったりするんですが。
そんな「あれなんやったん?」感は全然ありません。
むしろ、人間関係にしても、背景設定にしても、全てが綺麗に1本の糸で繋がったような話にできているので、どれも忘れない代わりに、どれも見落とせません。
この辺は設定が細かく作られているんだろうなと感心するばかりでした。
ヒロインと母親
ヒロインと主人公の母親はこの漫画に外せない重要人物です(実際は誰も外せないんですけどね^^;)
母親は女手一つで主人公を育てた肝っ玉母ちゃん系の人(見た目はめっちゃ若い)
主人公とは別々に住んでいましたが、主人公が事故にあったことをきっかけに一時的に同居しています。
ヒロインは主人公と同じピザ屋でバイトしている、平成生まれの女子高生。主人公とは結構な年の差です∑(゚Д゚)
ヒロインの女の子は天真爛漫でまっすぐ元気はつらつとした性格。
また主人公の母親も物事をはっきり言うインパクト強めなタイプ。
どちらも自分の意思がはっきりとしていて、母性愛に満ちた性格の持ち主です。
かたや主人公はあまり特徴のない薄味設定。
そんな主人公が、物語が進む中バイト先の女子高生と母親という年齢や立場の全然違う2人に強く影響を受け、知らない間に人として育てられていく姿が面白かったです。
またこの2人以外にも、主人公の同級生や友人が何人か登場しますが、全体を通して愛情深い人間が多いなと感じました。
ミステリー漫画なので、話の中心には事件という冷ややかなものは存在しますが、だからこそ、それを取り囲む人間の暖かさが強く感じられたのかもしれません。
予想通りだと思ったら予想通りじゃなかった
ネタバレしたくないからこれ以上の話はしませんが、ラストの展開は予想通り風の予想外で、予想外でした(笑)
ミステリーがメインなので、事件の真相に迫りハラハラドキドキしつつ、
最後はそうきたか!って感じでした。
なんとも胸の中がもぞもぞしましたが(悪い意味じゃないですよ)この作品の焦点はそっちだったんだなとなりました。
ぜひその辺りは漫画を読んで確かめて見てください^^
ショーシャンク見た後の気持ちになる理由
「ショーシャンクの空に」って、ファンめっちゃ多い映画ですよね。わたしも大好きです。
僕だけがいない街とショーシャンクのストーリーは正直全然違います(笑)
設定から、オチから、全部違うんですがΣ(・□・;)
なんとなく主人公が漫画の中で歩むその過程が重なる部分があるんですよね。
なのでどちらも見終わった時、胸の中に残ったものが近いような気がしたんです。
妙に清々しいと言うか、風が通り抜けたような心地というか。
もしショーシャンク好きの漫画好きさんで、まだ読んだことがないという方は是非読んでみてください。
後味全然違ったら…すみません^^;
サクッと読める良いミステリー
全8巻と比較的サクッと読んでしまえるボリュームなので、最近漫画から遠ざかっていた人や、もともとあまり読まない人もミステリー小説やサスペンス映画を見るように楽しめるのでオススメですよ。
ではまた第5回漫画レビューでお会いしましょう!
サヨナラー\(^o^)/
あ、書き忘れていましたが小ネタ情報
僕街を好きな人には有名な話ですが、僕だけがいない街のコミックスタイトルのフォントがちょっとかわってて、明朝体→ゴシック体に少しずつ変化するように作られた特殊な作りになってるんです。
理由については色々な憶測が飛び交っているような状態で真実はよくわからないのですが、時間の経過を表しているのではないか説が有力そうです。
こちらも注目して見て見てくださいね!
では、また次回!