【映画レビュー】この世界の片隅に ほぼネタバレなし

こんにちは、ヤムです。

前回の「君の名は。」同様、以前3作品まとめて記事にしていたレビューをリライトしてそれぞれ1作品づつ紹介していきます。

※2017/06/20少し加筆修正しました

今日はこの作品。

この世界の片隅に

監督・脚本:片渕須直 原作:こうの史代 音楽:コトリンゴ 制作会社:MAPPA

ストーリー☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆
心を揺さぶる度☆☆☆☆☆
映像の美しさ度
☆☆
声優☆☆☆☆

何人かに勧められて見た「この世界の片隅に」

原作は同タイトルの漫画で、こうの史代さんが描かれています。

あらすじはこんな感じ。

1944(昭和19)年2月、18歳のすずは広島から軍港のある呉の北條家に嫁ぐ。戦時下、物資が徐々に不足する不自由さの中、すずは持ち前の性格で明るく日常を乗り切っていたが、翌年の空襲によって絵を描く右手を失う。広島への原子爆弾投下、終戦。それでもすずは自分の居場所を呉と決め、生きていく。

出典元:Wikipedia

口コミでじわじわ広まった

「この世界の片隅に」と「君の名は。」は同じ時期にやってたんですが、こちらはひっそりと限られた場所で単館上映されていた作品でした。

しかし映画の評価が口コミで広まり、少しづつ上映する映画館が増え、最終的には当初の予想よりも多くの人に見られたヒット映画になりました。

SNSが進化した今、こんな感じで日の目をみる作品って昔以上に増えて来てるんでしょうね。

私、戦争映画は苦手です

こんなこと書くと「何甘いこと言ってんだ」と誤解を生みそうですが^^;

私自身は苦手と言いつつ、おそらく人よりこの手の映画は見てる方だと思います。ただ根本的に戦争映画ってジャンルがどうも。それならドキュメンタリーを見ようと思ってしまう性格なんです。

そんな感じなので、初めはこの映画も見る気全然なかったのですが、あまりにも周りに勧めてくる人が多いので、これも何かの縁なのかと映画館へ出向くことにしました。

年配の方が多いことに驚き

この映画を見たとき一番驚いたことは、お客さんの年齢層の幅です。

年配の方がとても多く、かといって若い人もいないわけじゃないという最近見て来た映画の中ではかなり珍しいパターンでした(時間帯もあると思いますが)

この映画は第二次世界大戦末期の広島、呉が舞台。

1945年に戦争が終わって72年、年配の方が多いと感じた映画館にいた中に、実際に戦争を体験した人はいらっしゃったんでしょうか。

終戦当時10歳だったとして、もう82歳になられているわけですもんね。

戦争を日常目線で

この映画の評価されているポイントは、戦争中の一般市民の暮らし目線で物語を進めたことによる、妙に生々しさを感じさせるような描写だと思います。

主人公が女性なので、戦地に出向き戦うような激しい場面はほぼありません。ただ戦争していることが日常となっている世界で、生活を送るというのはこういうことなんだといったイメージを観客にリアルに思い浮かばせるような内容がひたすら続きます。

嫁いで、お祝いもあって、小姑問題があって、恋愛もあって、友達もできて、ご飯食べて、農作業して…etc

そんな今の時代だって当たり前に行なっているような事が話のメインなので、感情移入もしやすいし、ついつい見ている側も戦争中だということを忘れてしまいそうになるんですが、そんなささやかな暮らしを、突然の空襲警報がかき消します。

そんなサイレンが鳴り響き始めた時

映画館の観客の反応は「え!!急に何事?!怖い!」なんですが

映画の中の人たちの反応は「また空襲警報かいなー」なんです。

映画館にいる観客の人たちの、怖い!と感じた部分が、この映画の表現力のすごさで、私は映画とわかっていつつも本当に逃げなければと考えてしまいました。命の危険を感じて。

だって普通そうですよね、ご飯食べたり、布団干したりして気を抜いている瞬間に空襲のサイレンが鳴り始めたら誰だって無防備な自分の状態に恐怖を感じて慌てると思います。

自分がそこに思いっきり感情移入して映画を観ていたら、ちょっと焦ってしまうのも頷けます。

また音の効果も素晴らしく、爆撃音や空襲警報の音がすごくよくできていたのも、私が逃げなければ!と焦った要因のひとつです。

しかしそんな怖さをこっちが感じているのにもかかわらず、スクリーンの中の当事者たちは「またかいな」と言っている、この感覚の差が奇妙な生々しさを生み出した部分なんだろうなと思います。

いままでずっと感情移入して観てこられたのに、そこの感覚は違うんだという違和感が、逆に胸に残るといった感じです。

この感覚を伝えようとした戦争映画は色々あれど、一番この映画がわかりやすく伝えてくれたのではないでしょうか。

戦争が日常になるというということは、こういうことなんだなと改めて感じました。

最後に残った感情は人それぞれ

この世界の片隅にを見に行った人たちに感想を聞いたら、それぞれ結構違ったのが面白かったです。

私は正直心理描写は素晴らしいと評価しているものの、映画を見て心に残った感覚としては「ただただ悲しい」でした。

とりわけ暗いストーリーで話が終わるわけではないんですけどね。

戦争が終わった時に手の中に残ったものと、引き換えにして来たものとの差が大きすぎて、私ならその現実をどう受け止めていいのかわからないなと思ったのと、映画の中の人たちが、いろんな辛い現実があった中行き着いた先が、なんともやるせないなぁと感じたからかなと思ってます。

ただ希望が見えたという人もいれば(むしろそういう意見の方が多かった)原作の漫画を読んでいる人からすると物足りなかったという人もいたり(カットしているシーンが結構あるので)感想様々です。

映像と声優さん

正直アニメ的な映像のクオリティはそんなに高いわけじゃないです。

原作の漫画には忠実ではありますが、特にこれがすごい!といった部分はないので、綺麗な映像が見たいという人は、他の作品を見た方が満足度は高いと思います。

ただ全体的にほのぼのとした素朴な雰囲気のタッチなので、映画にはとてもよくなじんでいました。

というか、映像が綺麗か綺麗じゃないかだけで映画は測れないですよね。

主役、すずさんの声はあまちゃんでおなじみの、のんさんです。

おもいっきりのんさんの声なんですが(笑)とてもすずさんとマッチしていて、かつ表現力が高いのでスッと耳に入ってくるけど、抜けていかない、頭の中に残るような声でしたね。

総評

さて、人に勧められて観た「この世界の片隅に」でしたが、結論から言えば観てよかったと思える作品でした。

優しいタッチのアニメな上、激しい表現は少ないので戦争映画の映像に抵抗がある人でも見やすくなっているのではないでしょうか。

映画館から出てきた人たちが「良かった」と口々に言っていたのも印象的です。

世代を問わず何かしら訴えかけてくるものがある作品というのもなかなか少ないと思うので、興味がある方は是非見てみてください。

ではまた次回!ヤムでした\(^o^)/

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