【映画レビュー】君の名は。を超今更ながら斬る!ネタバレあるよ。

こんにちは、ヤムです。

以前ちらっと書いてたアニメ映画の三本まとめたレビューを、やっぱり見づらいので今更ながらリライトすることにしました。

ということでそのうちの1作品、君の名は。の感想を今日はご紹介します。

※ネタバレしてほしくない方と、君の名は。がめっちゃすき!って人にはここまででストップしてください^^;

では、スタート!

君の名は。

監督・原作・脚本:新海誠 音楽:RADWIMPS 制作会社:コミックスウェーブフィルム

君の名は。

ストーリー
キャラクター☆☆☆
感動する度☆☆
少女漫画度
☆☆☆☆☆
声優☆☆☆☆

2016年に超絶ヒットした映画といえば「君の名は。」がまず一番最初に上がるんじゃないでしょうか。年間興行収入ランキング堂々1位の235億円越え。凄まじい数字です。

実際自分の周りでも映画を見た人ばっかりで、見てない人探す方が難しいんじゃない?って状況だったし、そもそも私自身も見ているわけですしね。

物語のあらすじ

東京に憧れる田舎暮らしの宮水三葉と東京の街で父と暮らす高校生の立花瀧。出会ったこともない2人がある日夢の中でお互いの身体が入れ替わっていることに気付く。戸惑いながらもお互いの生活を体験する2人、しかし、ある日を境にその入れ替わりは無くなってしまう…。

出典:映画ウォッチ

冒頭はこんな感じです。

転校生とか時をかける少女を彷彿とさせる内容ですね。

ただ、東京と田舎というお互いの環境の違いや、交友関係、家族関係なんかを携帯にメモを残すことでお互いにやり取りし、うまく帳尻合わせて入れ替わり現象に対応していくってとこなんかは今っぽさがあるというか、さすがに転校生や時をかける少女より現代を感じました(笑)

さらにネタバレすると、この入れ替わっていた2人、実は3年ずれた世界を生きてるんです。なので、三葉→瀧と入れ替わっている時は3年後の世界に三葉がタイムスリップしていて、逆に瀧→三葉と入れ替わっている時、瀧は3年前の世界に戻っていたということです。

3年後の世界を生きている瀧は2人の入れ替わりが無くなった後、三葉の住む村を記憶を頼りに調べ、実はそこは3年前に彗星によって壊滅してしまった村だと知ります。

瀧はなんとかもう一度過去に戻り、村を(三葉を)救えないかと画策しながらストーリーはさらに展開していきます。

■あまりにもご都合主義じゃない?

ここからはレビューです。

さて、記事頭に映画の評価ポイントを星の数でつけた表があったと思います。

漫画のレビューの時はどの項目も☆5や☆4だらけとかなりジャッジがぬるい私ですが、今回奇跡的に☆を1つしかつけなかった項目があります。

それがストーリー!Σ(・□・;)

やはり映画を見る上で、一番評価すべきは物語構成だと思うのですが、その完成度を評価した時にあまりにも内容が御都合主義すぎじゃね?と言いたくなってしまいました。

並べだしたらきりがないので多くは書きませんが、突っ込みどころだらけ、矛盾だらけです。

しいてあげるなら、突っ込んでるが人一番多い携帯電話をつかったやり取り。

なぜわざわざメモでやり取りしてんの?電話をかけないのか?、なぜお互い日付を気にしないの?曜日ずれてるよ?、てか使ってる機種古すぎる(新しすぎる)やろ!

みたいな(笑)

あとこれはどうしても言いたい。

ふつうの女子が1人でばあちゃんおんぶして山道を歩き続けるの無理!

まぁ全部夢オチにして自分を納得させられなくもないけど、そんなツッコミどころ多すぎて関西人としてはゆっくり見てられなかったです。

そして三葉の少し複雑な家族関係の奥行きも表現がスカスカで、どう考えても映画をよくするには大事なポイントなのにあまり描かれておらず、恋愛面の描写ばかりが目立ったのも気になりました。

まぁどう考えてもジャンル恋愛ものなので仕方ないのかもしれませんが、なんかもったいないなぁと思ってしまいました^^;

■少女漫画的に見るなら☆5になる

少女漫画って、ご都合主義の塊みたいなストーリーが多いじゃないですか。

  • 主人公はパッとしないけど美人な女子高生
  • しかしなぜか学校一のイケメンに言い寄られる、もしくは幼馴染
  • そしてなぜか一つ屋根の下に暮らすことに
  • さらに学校ナンバーツーのイケメンからも言い寄られる

みたいな(笑)

ただわたしはこれはこれで、夢をみるストーリーとしては正解なんだと思うんです。なので面白くない!なんて思ったりはしません。むしろ面白いです。

そういう見方で君の名は。をみるなら、☆5でいいんじゃないかと思います。

この作品は新海誠さんの理想の恋愛像を当てはめた、少女漫画的な作品です。と紹介されれば、こんな感想にはならなかったです。

ただこれが、そんな捉え方ではなく”日本のアニメ映画史に残る名作”的なニュアンスで取り上げられているのでそれはちがうだろと言いたくなってしまうんですよね^^;

確かにこれ見ればサクッと手っ取り早く感動はできるかもしれませんが、見終わった後、作品を通して監督が伝えたかったテーマなんかがずしっと胸に残る余韻を楽しむ映画というよりは、映画館から出てきた時一緒に行ってた友達と「あー私も恋愛したいっ!」って言い合うのが第一声の作品だと思うんです。=少女漫画やん。

■ポスト宮崎、だと?

そんな日本のアニメ映画史に残る名作的な持ち上げ方をされているからか、君の名は。がブレイクしまくってた最中、とあるニュースコラムは新海誠さんを、ポスト宮崎と表現していました。

ポスト宮崎ってことは、この新開さんの作品たちがジブリと並ぶものになりうる可能性を持ち合わせてるってことですよね。

どの辺が!?Σ(・□・;)

以前細田守さんにも似たようなニュアンスの言葉が使われていたことがありました。

その時は、細田守さんと宮崎駿さんの伝えたいテーマに、ほんのちょっとですが近い部分を感じたので少なからず共感する部分があったのですが、新開さんの作品をジブリ作品と比べるというのは、根本的に畑違いすぎてよくわからいです。ワンピースとNANAを並べて同じ土俵で戦わせているような感覚に近いですね。

これは決して新開さんをディスってるわけではなく、何でもかんでもブレイクしたアニメ映画があるとすぐその監督を”ポスト宮崎”と語るマスコミがどうかしてるぜって話です。

新開さんが宮崎駿の後釜を目指してたら、絶対もっと違うテイストの作品作ってるやろと言いたい。

■RADWIMPSがハマりすぎ


そして君の名は。を語るのに必ず登場するのがラッドウィンプスとの挿入歌のタイアップについて。

正直これはハマりすぎててビビりました(笑)

野田洋次郎さんの恋愛観に対する子供っぽさと、新海誠さんの少女漫画的恋愛観がシンクロ率すごすぎて、ミラクルが起こった感じです。

ただ、それを聴いて欲しかったのかどうかはわかりませんが、映画の中で曲が流れる時あそこまで大音量で押し出さなくてよかったのに。残念。

なんなら途中から私はラッドのMV見てんのか?とさえ思いましたΣ(・□・;)

前評判があったので余計意識して聴いてしまったのかもしれないですけどね^^;

■神木隆之介くんはすごいなぁ

声優さんに関しては全然違和感なくスッと入ってきました。

よく芸能人が声優やると、その人のイメージが強すぎてそっちが頭の中いっぱいに広がり、キャラクターと声がバラバラに感じられてしまうという現象が起こりますが(ハウルとか)

そんなことは無く、全然ストーリーを邪魔したりせず、それぞれがハマり役だったんだろうなと思います。

■秒速5センチメートル・ほしのこえ

そういえば実は私、新開誠さんの映像作品はこれが初めてではありません。過去に「秒速5センチメートル」を見たことがあります。(10年以上前かな)

そしてその時もストーリーに対して今回と同じような感想を持ったことを覚えています。少女漫画っぽいなと。

あとすごくうじうじしたテンポで進むので見ているのがしんどかった^^;

そういう意味では、今回の君の名は。の方がテンポは良くできていました。

そして「ほしのこえ」は漫画で読みました(これも10年以上前かな)

こっちは君の名は。と最終兵器彼女を足して2で割ったような内容です。映像化されてますがそれは見ていません。

もちろん恋愛ベースのストーリーです。

■映像が綺麗っていうよね

君の名は。がヒットした理由のうちの一つが、この映像にあるんじゃないかと思います。

新開さんの映像は昔からずっと、CG感溢れる宇宙が見えるようなすごい空や、新緑がキラッキラしてるような鮮やかな色と光の輝き使いなど、直感的に「なんかキレイだな」と思わせる要素がふんだんに盛り込まれています。

ラッセンの絵を見て、なんかどうすごいのかわからんけどキラキラ鮮やかでキレイ!と思う感覚に近いです。

そういう表現って、女性の心を掴みやすいんですよね。女性の方が色に敏感な人が多いし、物事を視覚的に捉えることが多いですから。そしてそこに切ない恋愛要素が加わることで、さらに女性の心はがっちりロックされます。

そうなったらこっちのもので、口コミ力は男性の比ではないので(笑)爆発的に広まりますよね。

もちろんそんな簡単な話ではないんですが、そういった部分も流行った要因の一つかなと私は考えていました。

日本人ラッセン好きですしね(笑)

■総評

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます。

そしてもうお分かりだと思いますが、私は根本的に新海誠さんの世界観がどうやら苦手なようです…。さすがに3作品見ていつも同じ感想ってことは間違い無いと思います^^;

好きな人、すみません。

これだけの人が見て、評価しているのだから私の意見がマイノリティなのでしょうが、盲目的にこの映画がいい!と言ってる人は、一体どこが他の作品と違っていいのかを教えて欲しいところです。

コンビニに行くたびにもうすぐDVD発売!的なポスターを見かけますが、一体そっちはどれくらいの売り上げになるんでしょうね。

これも記録とかできるのかな。ちょっと楽しみです。

それでは、おつきあいいただきありがとうございました!

また次回の記事で。ヤムでした。

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