ゴアを少しでも長持ちさせる手入れ・洗濯・保管方法 編【元山用品店スタッフのゴアテックス講座vol.2】

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みなさんこんにちは、ヤムです。

今日も引き続き、ゴアテックスについてのお話です。

前回はゴアテックスの種類と向いている用途の説明までで終了しました。

今日はそのゴアテックスを長持ちさせる洗い方と、ちょっとした豆知識をお届けします。

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ゴアテックスのお手入れ 面倒でも汚れたら必ず洗おう!

例えば登山中の泥汚れに、旅中の砂埃、街中で食べ物をこぼしてしまった…etc 気がつかない間に汚れは蓄積されているものです。

ゴアテックスをいつも快適に使用したいのであれば、こまめに洗ってあげるのが正解。汚れが付着したままだと透湿性が悪くなる上、雑菌によって生地も傷みやすくなってしまいます。

機能素材だからといってクリーニングに出さなくっても大丈夫、自宅で洗濯できます

洗濯機使用可のタグがついているものもありますが、洗濯中にジッパー部分で傷がついてしまうのを防ぐためにも手洗いすることをお勧めします。

今日洗うのはこれ!

マムートのジャケットです。

このジャケットはゴア社の出しているWINDSTOPPERを使用したものですが、ゴアテックスもウインドストッパーも手入れ方法は同じです。

先日使用した際結構汚れてしまいました。

ちゃんと落ちるかな?

・STEP1 大きめの桶や、洗面台にぬるま湯を用意して液体洗剤を溶かす

それでは早速洗っていきます。

40度程度のぬるま湯を貯めた桶や洗面台の中に、液体洗剤を溶かします。

洗剤は市販の中性洗剤でも大丈夫ですが、登山用品店にはゴアテックスの素材に合わせて作られた洗剤も販売されているので、より適したものを使いたい!というかたはそちらを使用してください。

中性と表記のあるものを。

注意してほしいのが、決して柔軟剤を追加しない。ということです。

使用すると柔軟剤がゴアテックスの細かい通気口に入り込んで目詰まりを起こしてしまい、汗抜けが悪くなってしまいます。

・STEP2 石鹸水の中で押し洗い

準備が整ったらジャケットを投入です。

袖口などは少しもみ洗いしないと落ちない汚れもありますが、ゴアテックスのジャケットやパンツ等は基本表面に撥水加工が施されているので、優しく押し洗いをすれば大抵の汚れはきれいに落ちるはずです。

上からそっとプッシュして洗いましょう。

洗濯洗剤は結構手に残るので、肌が弱い人は手袋をするなど対策をしてください。

・STEP3 石鹸が残らないようにすすぎは念入りに

写真はわかりづらいですが、毎回「こんなに汚れていたのか…」と悲しくなるくらい水が黒くなります。

結構マメに洗ってる方なんですけどね(笑)

汚れが落ちたらすすぎを念入りに行います。

同じように水を貯めてすすぎを何度か繰り返してもいいですし、もしお風呂場で洗えるのであればシャワーで一気に流してしまうのが楽チンです。

くれぐれも石鹸が残らないように注意してください。

またこの後紹介しますが、このすすぎの後そのままの流れでNIKWAX(ニクワックス) を使用すれば、そのまま浸けおくだけで撥水加工ができるので簡単でオススメです。

・STEP4 脱水はせず陰干しで

すすぎ終わればそのまま手で軽く水を絞って陰干ししましょう。

最初はボトボトですがそのまま。乾きのいい素材でできているのですぐ乾きます。

オススメは乾いた風呂場。

水がボトボト垂れたって問題ないし、直射日光もあたりません。

・STEP5 乾いたらドライヤーをあてよう

洗濯していたジャケットやパンツが完全に乾いたら、最後に一手間。ドライヤーの温風で表面全体を温めましょう

そうすることで表地の水を撥水させるために付いている細かい毛が立ち上がり、水弾きの良い状態が復活しやすくなります。

撥水スプレーをかける場合はこの後に。

軽く全体に吹き付け→乾かす の手順で2-3回繰り返しましょう。

撥水加工はジャケットの透湿性を保つためにとても大事な役割です。

もし撥水力が落ちてきて、不十分だと感じるようであればこの手間は惜しまないようにしてください。

・洗いの注意点とポイント

すすぎが甘く石鹸が残った状態で乾かしてしまうと石鹸の膜がゴアテックスを覆い、透湿性を悪くしてしまうので気を付けましょう。

ドライヤーの熱は高温で近づけ過ぎないようにしてください。

撥水スプレーは必ずゴアテックス対応のものを選んでください。雨傘や靴用の防水スプレーとして売られているものの中には膜を作って水弾きをよくするタイプのものがあり、それを使用してしまうとジャケットが目詰まりして蒸し風呂になります(;o;)

また撥水スプレーを使用する際は必ず、火器の側ではなく換気の良い場所で行ってください。

先ほど紹介したニクワックスは洗い終わったジャケットをつけ置きするだけで撥水加工もしてくれる、なんとも嬉しすぎるアイテムです。

水を貯めた桶やバケツに溶かし入れ、そこにジャケットをつけ置きしてすすぐだけなので、洗濯した流れでそのまま簡単に使用できます。

・タンスにおしくらまんじゅうはダメ、絶対!

きれいに洗濯された状態のゴアテックス、次に使う日まで保管はどうしてますか?

クローゼットがいっぱいだからといって、折りたたんでぎゅうぎゅうのタンスの引き出しに押し込んでいる…そんなことしてたら要注意。一気に寿命が短くなってしまいます。

ゴアテックスを使ったものは、できる限りハンガーにかけて風通しの良い状態で保管してください。あまり密閉されたような場所や、湿度のある場所に長時間置くと”加水分解”を起こしやすくなってしまいます。※加水分解については下記記事をご参考になさってください。

またジャケットのジッパー部分にはビニールコーティングされた止水ジッパーが使用されていることが多いのですが、そこを折った状態で保存するとジッパーの形が変形して止水部分に隙間ができてしまう可能性が出てきます。

少しでも長く使用したい気持ちがあるのであれば、保管する場所はよく考えて選んでください。

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ゴアテックス豆知識あれこれ

最後に、ゴアテックスの説明時に頻出する言葉と、よく聞かれたQ&Aを解説していきます

よく聞く専門用語

  • 耐水圧 どれだけの水圧に耐らえれるかの数値。防水生地1㎠に対して何ミリの水が柱のように積み上げられるかという測り方。数字が大きければ大きいほど強い。防水ジャケットは10000mm以上のものが多いが、中には5000mm程度しか耐水圧がないものも完全防水として売られていたりする。その程度だと豪雨やバイクに乗りながら長時間使うと普通に染みこんでくる。雨傘の耐水圧は300mm程度。

  • 透湿性 ゴアテックスの内側で発生した蒸気を外側へ逃す性能。ゴアテックスメンブレンに蒸気が通れる程度の小さな穴が空いていて、そこを通り抜けて外へ放出される。穴が小さ過ぎて水滴はそこを通り抜けられないので雨は染み込んでこない。汗をたくさんかき、蒸気の出入りが激しかった後は、汚れが蒸気の通り道に付着して透湿性が低くなりがちなのでこまめに手入れした方がいい。ゴア社の透湿性能はRETという数値で表されていて、その数字が小さければ小さいほど透湿性が高いという判断になる。ゴアアクティブでRET3(かなり高い透湿性)

  • 加水分解 ジャケット等に使われている反応物(主にウレタン部分)と空気中の水分が反応して分解してしまう現象。防水ジャケットの裏地がボロボロに剥がれたり、シームテープ部分が浮いてきたりするあの現象。時間によるものなので止める手立てはないけど、湿度の少ない風通しの良い場所に置いておくだけでグッと寿命は延びる。

  • 撥水 水を弾くこと。撥水が効いている=水が入ってこない ではない。ゴアテックスの表生地に見えない細かい毛を立て、そこに水を弾かせるうわ薬を塗り、サラサラと水の玉が流れるような状態を作り上げている。これがない場合、ゴアテックスメンブレンより内側に水は浸水してこないが表地には水が染み込み、そこに水の膜ができてしまうので透湿性がグッと悪くなる。最悪逃げられなくなった蒸気がジャケットの内側にたまり、結露状態になって浸水してきたかのように感じられる。

  • 防水 水を防ぐこと。撥水は主に薬剤による表面加工なのでいずれ効果が切れてくるが、防水はゴアテックスメンブレンが破れたりしない限り続く。防水と撥水をうまく機能させることが快適に使用するポイント。

  • ベンチレーション 空気孔。ジャケットの脇下の部分や、パンツのポケット付近等熱のこもりやすい場所が、ジッパーで開閉できるような状態になっていて素早く換気できるようになっている。登山ではよく使うけど、旅や街では使わない場合が多い。

  • マイクログリッドバッカー 編み物ではなく、織物で作られたゴアテックス用の裏地。透湿性がよく、織って作られていることで凹凸が少なく滑らかな着脱が可能になっている。

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よくあるQ&A

  • ゴアテックスって一生ものなんですよね → いえ、消耗品です。早くて2〜3年、長い人で10年程度の使用です。比較的3レイヤータイプが長持ちしますが、使用環境と保存環境次第で大きく変化します。
  • ゴアってあったかいんですよね → いいえ、これ一枚では対して暖かくありません。ただ風を一切通さないので中にフリースやダウンを着て、その上にゴアテックスのジャケットを羽織ればかなり暖かく過ごせます。
  • 同じゴアでもメーカーによって値段の差があるのはなぜ → 理由はいろいろですが、ゴアテックス以外の部分にかけているお金の差が大きいです。表面に組み合わせている生地の質であったり、立体裁断による縫製技術の差であったり、国外ブランドなら輸送費であったり。生地や裁断の差は着心地に顕著に現れるので、ぜひいろいろなメーカーのものを試着してお気に入りを探してください。
  • 穴が空いちゃった… → 購入店に持っていけば修理を受け付けてくれる場合がほとんどです。問い合わせてみましょう。小さい引っ掛け傷くらいであれば登山用品店にリペアキットが数百円で売られているので自分で修理するのも手です。アイロンでくっつけるだけなのであっという間に直せます。
  • ゴアじゃない防水ってなんなの → ブランドによってはゴアを使わずオリジナルの防水素材を使用した商品を展開している場合もあります。ざっくりいってしまえばゴアテックスと同じような防水透湿性があり、登山やバックパッカーでも十分耐え売ります。違う点として、各社オリジナルの防水素材はウレタンで作られているものがとても多いので(ゴアも使ってるのは使ってるけど)加水分解が進みやすく劣化が早いと言われています。その代わり価格がゴアテックスのものに比べて安くなるので、どちらを使用するかはお好みの問題ですね。
  • ゴアの信者ですか → そんなことありません(笑)


さて、ゴアテックスの選び方と手入れ方法ですが、参考になりましたでしょうか。

雨風をしのいでくれる強力なパートナー、しっかりベストなものを選びたいですよね。

最近は機能面プラスデザインもオシャレなものが増えてきてるので、お気に入りの一枚を探してくださいね。

ではまた次の記事でお会いしましょう!

さよならー\(^o^)/

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